ウイグル人が中国警察と対立する中、1人の女性が興奮状態の群衆の抗議活動を鎮める
Tania Branigan in Urumqi
guardian.co.uk, Tuesday 7 July 2009 15.09 BST
(以下 Guardianの記事より)
最初は誰も彼女に気づかなかった。彼女ははじめ、怒れる群衆の中の老いて、疲れた顔のうちの一人だった。やがて、ゆっくりと彼女は群衆の中から抜け出し、徐々に道を歩き出した。
この女性はたった1人で、松葉杖をついて歩いていた。しかし彼女は今日ウルムチで、中国武装警察とウイグル人たちの異例な対立のただ中、武装した運搬車と結集した民兵組織部隊を -たとえ一時的にとはいえ- じりじりと後退させた。
前日の暴動の現場を見せるオフィシャルなメディアツアーが行われていたとき、数百人の警察の前で、ウイグルの住民たちは抗議活動を勃発させた。日曜日の暴動が150人の命を奪い、数百人のけが人を出したあと、数千人の機動隊と武装民兵警察が首都の南側に殺到していた。
市場にいた女性たちは、外国人記者たちが到着したとたん、一斉にむせび泣き、警察がウイグル人男性を連れ去ったと、叫び声をあげた。当局は日曜日の騒乱との関連で1434人を逮捕したという。
「昨晩、旦那が警察に連れて行かれた。どうしてか分らないし、彼がどこにいるかもわからない」 Abdurajitという女性は言った。「私の旦那も連れて行かれた。警察はまだ彼を拘束している」他の女性も割りこんだ。
彼女たちがメインストリートに出てくると、ウイグル人男性と他の女性たちも叫び声をあげ拳をあげて参加しはじめ、群衆は200人くらいにふくれあがった。
すると、老女が群衆の中からでてきて道をゆっくりと進みはじめた。1人のウイグル人の警察官が前に出てきて、彼女をエスコートして、引き返させようとした。彼女は説得に応じようとしない。
年老いた住人たちが前に出てきて群衆を沈めようとしているとき、彼女はしっかりとした足取りで武装車の並んだほうへ前進していた。彼女はそのうちの一台の数センチ手前で止まった。運転手がエンジンをかけた。彼らはしばらくの間、対面し合っていた。すると武装車はゆっくりと後退し、警察官たちの列が道の後方へ後ずさった。
彼女は前に進み、彼らは後ずさった。彼女は前進し続けた。先出の警察官が彼女に後退してくれ、と懇願している中を。
突然彼は私の方を向き、私のノートをつかみ、ページをやぶると何かを書いて彼女に渡した。それは彼の名前と身分証明書の番号で、この警察官が彼女を助ける意志があるという証明だった。彼はそれを彼女につきつけた。しぶしぶと、彼女はその場を立ち去ることに同意した。
一瞬、分裂した街の緊張が失われたように見えた。
この事件の前、群衆は警察車を取り囲み、フロントガラスをぶち割っていた。ある女性は彼女の家族の写真をヘルメットをかぶった警察官につきつけ、それを見るように叫んでいたが、次第に扱いにくいムードになり、群衆から出てきたいくつかの手がその警察官をパンチしはじめた。彼は同僚の警察官たちに引っ張られて助けられた。もはや中国国家勢力の一部ではなくなり、恐れる脆弱な1人の男だった。この街に任務する他の多くの若い警察官同様に。
群衆がふくらみ、民兵たちは道路に出て彼らを後退させようと押していった。何人かの民兵たちはこん棒とシールドを持って駆け出して行ったが、彼らの上司たちは止めようとしない。
また一方では、年老いたウイグル男性たちが群衆たちを鎮めようとしていた。
そして彼女が前進したのだった。この年老いた女性が引き上げようとしたときは、群衆の抗議活動が勃発してから30分くらい後で、民兵警察と群衆の後ろに集まった2列目の武装警察にはさまれ、群衆の興奮状態は収まり、人数も数十人に減っていた。
・この件の様子がもっとよく分かるビデオ(アルジャジーラ:Youtube) reported by: Melissa Chan
アルジャジーラMelissa Chan記者のウイグル現地レポートTwitter
3 件のコメント:
読ませていただきました。
アルジャジーラのYoutubeで女性たちが
何か嘆きながら訴えてるのは見ていたんですが
こんな事があったんですね。
この記事、私のブログに転載させて頂けないでしょうか?
コメントありがとうございます。どうぞ、お使いください。
早速アップしました。
「雪の下の炎」も掲載させていただきました。
ありがとうございます。
http://ameblo.jp/0404nuu/entry-10297685139.html
コメントを投稿