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    「雪の下の炎」 DVD発売中!!

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    2009年5月4日月曜日

    ここ数日

    アムステルダムからオランダ人の友人が来て、週末はうちに泊まって行った。
    彼はダラムサラに17年も住んでいた強者。チベット語も堪能で、柔軟な精神をもち、ダラムサラのゴミ処理システム革新をし、チベットから来たチベット人たちの記録をつけたり、マメな作業をずっとして来た心優しい人。
    おみやげ何がいい?と聞かれたから、大好きなキャラメル入りのワッフル、karamelstroopwafels met roomboterestoop というお菓子を買って来てもらう。このお菓子にはチベットがらみの思い出が。
    チベットに一緒に行ったクルーが、これをチベットに持って来た。
    毎日、ふるわない食事で喘いでいたときに、これを開けて食べてみたら、あまりの美味しさにみんなで悲鳴!
    持って来た本人もおみやげでもらったものだったから、味を知らなかったそう。知ってたら、みんなで分けてなかっただろうに。

    彼がDCのコンファレンスに発つ前に、元チベットの囚人の尼僧ガワン・サンドルさんとそのお兄さん、そして友人たちとご飯を食べに、ジャクソン・ハイツへ。ガワンさんのお兄さんとは、彼らがダラムサラにいて、ガワンさんがまだ囚人だった頃からの知り合いだそう。ふたりで、ガワンさんの身を思い、泣きに泣いた夜もあったんだそうだ。
    ガワンさんが釈放されて、はじめてお兄さんと電話で話をしたとき、彼女はお兄さんがなにを言っているのかわからなかったそう。
    お兄さんは亡命チベット人たち特有のチベット語を、早口でしゃべるから、ずっとラサの牢獄にいたガワンさんは困惑したのだ。今は、もちろん、それにも慣れた、と言っていた。
    ガワンさんは凛としていて、寡黙な女性だけれど、言うことはびっしりと言う、素晴らしい女性。お兄さんは、とてつもないエネルギーを持ち、弾丸トークをぶちまけ、人を笑わせるのが大好きな人。
    ふたりは、今一緒に住んでいて、とても幸せそうだ。



    ダライ・ラマ法王がNYにいらしていて、連日イベントが。
    私は10月のティーチングに行こうと思っていたのだが、たまたま友人がチケットをくれた。これは、ラッキーと、ダライ・ラマ法王と元国連難民高等弁務官のメリー・ロビンソンさんの対談を聞きに行った。
    法王は疲れていらっしゃったみたいだけれども、沢山笑顔をふりまいていらっしゃった。

    法王がホールに現れるとき、いつも泣きそうになる。ダラムサラでインタビューをしたときには泣かなかったのに、沢山人がいるところでは、たぶん、観客の発する荘厳なエネルギーに圧倒され、涙が出そうになるのだと思う。
    外は雨模様で、肌寒かったが、ホール内は冷房が効いている。法王は「前にアメリカに来て真夏に冷房が効いたホテルで講演をして、薄いショールをしてきて後悔したことがあったから、今日は厚めのショールをしてきた」と笑いながらおっしゃって、むき出しの右腕をカバーされた。

    メリー・ロビンソンさんは90から97年にアイルランドの大統領をし、そのあと国連難民高等弁務官になった女性。ずっと中国に行きたくて、話し合いをしていたが、チベットに行きたいという彼女の要請に中国当局はなかなか、首を縦にふらなかったそう。ようやく1998年に了承され、中国に行けるようになり、チベットにも行った。そのときにチベット語に翻訳された世界人権宣言を持って行き、学校の先生たちに配った。学校の先生たちは人権宣言を知らなかったという。
    彼女は同行したスタッフに「こういう冊子を渡すのは(中国では)違法かもしれないですよ」と言われたけれども、無視して渡しつづけたそう。それを聞いた法王が、ハハハと笑い出し、「あなたも高い立場にいながら、分離主義者なのですね」とおっしゃって会場は笑いの渦に包まれた。
    外交をするうえで、高官たち本音と建前をはいつも使い分けているけれど、法王は彼女の正直な精神をとても評価していらした。

    また、環境問題で、先進国が出す汚染に、たいして責任のない後進国がより深刻な影響を受けているが、これをどう改善できるか、という質問をメリーさんが法王にすると、法王はすぐさま「分りません。あなたのほうがご存知なのではないでしょうか?」とおっしゃってまたもや大爆笑。

    貧富の差が広がる世界だが、ひとりひとりが助け合いの精神を持ち、なんらかのかたちで手を差し伸べることが大切、と法王はおっしゃっていた。また、アメリカ人たちは、どうかチベットを積極的に訪ね、その様子をメディアに語ってほしい、と最後におっしゃっていた。「お金がないなら、友達からお金を借りてまずはチベットに行き、そして帰ったらそれを記事にして売ったらどうだろう、ハハハ」と。

    法王のお話を聞いていると、その正直で率直な受け答えがいつも心に響く。素晴らしい時間だった。

    帰りにラサから留学しているチベット人の知り合いにロビーで会った。彼が本当に嬉しそうに「サイコーの一日だ!これからまた、チベット人たちと法王の会合があるんだ!」と言っているのを聞いて、胸がじんとした。

    法王はほんっとーに、いつも沢山ご旅行をされているが、体に差し支えないよう、法王の御健康と長寿を心からお祈りしている。

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