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    2009年6月16日火曜日

    インディアン・アイドル♡

    インディアン・アイドルを知っていますか? アメリカン・アイドルなら知っている人は多いと思うけれども、インディアン・アイドルはそれのインド版なのです。いわゆる歌のオーディション番組。超ローカルな話題で恐縮なんだけれど、2007年のインディアン・アイドルシーズン3、私はチベット人の友人のおかげでぜーんぶ見ていたのです。ほら、ジャクソンハイツでDVDがすぐに入手できるからね。
    最初は、ちっ、うるさいなー、と思っていたのだけれど、これがまたよくできている。リアリティー・ショーとオーディション番組が一緒になっているから、ドラマ性はあるは、ツッコミ性満載だわ(インドです、ボリウッドの国です)で、気づいたら番組を網羅していました。

    2007年のシーズン3は、中国系のコンテスタントがいたり、ダージリン出身のネパール系の男の子がいたり、インドのマイノリティーががんばっていた。最後のふたりに残ったのは、ダージリン出身のネパール系のプラシャント・タマーン君とシロン出身のアミット・ポール君。ふたりともけっこうなイケメンで、審査員のアメリカ版だとサイモンのような、(知る人ぞ知る)鬼のようなダメ出しをするボリウッド界のかつての売れっ子ミュージック・プロデューサー、アヌ・マリックの罵詈雑言にも絶え、本当によくプレッシャーにめげずにがんばっていて、それだけですごかった。毎週、携帯のテクストメッセージで視聴者がVoteできるのだけれど、プラシャント君はネパール系の少数民族の応援がハンパなくすごくて、彼1人分の票が最後の方に残っていた5、6人のすべてのコンテスタントの票を全部集めたよりも多かったくらいだったそう。だから、結局最後にプラシャント君が勝ったわけです。

    で、前置きがすごーく長くなりましたが、そのプラシャント君がお友達を訪ねてNYに来ていて、何度か会う機会がありました!私の友人の家に行ったら、プラシャント君がそこにフツーに座っていて、思わず私はミーハーぶりを炸裂させた、いや炸裂させざるを得なかったのです。だって、彼がアイドルになるプロセスを見守っていたのだから!!! 
    プラシャント君はアイドルになる前はコルカタの警察官をして、警察のバンドで歌っていたそう。お父さんが亡くなったために彼が家族のために学校をやめて、お父さんの後をついで、警察官になったんだそうです。とにかく、おごりがまったくなく、気配り上手な超好青年で、私はさらなるファンになってしまいました。それに、彼は仏教を信仰するゴルカ族なのです。

    彼はNYでチベット人の私の友人のアーティストの家に泊まっていたのだけれど、チベット人の彼に対する歓待ぶりもすばらしい。彼をインド人が沢山いるジャクソンハイツなんぞに連れて行ったら、タイヘンなことになるから、なるべく駅を避けて、チベット人のタクシーやリムジンの運転手が借り出され、色々な場所に連れて行く。沢山のチベット人が知ると、もてなし好きなチベット人の「うちに来い!」攻撃にあうから、それをやんわりと断る、など。そして夜になると数人のチベット人たちが遊びにきて、ヒンディー音楽大合唱パーティー、それも夜中まで。プラシャント君よりも、よっぽど沢山のヒンディー音楽を知っているチベット人たちの音楽に対する情熱はすごいです。しかも、チベット人ってみんな歌がめちゃくちゃ上手いから、プラシャント君と合唱しても肝心のプラシャント君の声が聞こえないくらい!

    そんなこんなで、ワイワイと楽しい時間があったわけですが、昨日は彼をスカイダイビングに連れて行くために、ロングアイランドへ行った。7時半に集合という訳で、ものすごい早起きをしたものの外は雨。とりあえず集合場所に行くけれど、プラシャント君は前日朝4時までの飲み会プラス合唱会のおかげで、まだ寝ている。ホストのチベット人の友人も真っ赤な目をしながら、スカイダイビングの事務所に電話をし、気象状況の確認をとっている。結局、時間が遅れて午後イチで来てみなさい、ということになり、まったりと雑談しながら(チベット人らしく)朝食をとった後、2台の車で、やはりヒンディー音楽大音量大合唱のドライブ。1ダイビング350ドルというとんでもなく高いお金がかかるので、私たちは応援をするのみ。まあ、飛行機代もあるから。プラシャント君は警察でのトレーニングもあったのか、度胸が据わっていて、インストラクターから説明を受け、意気揚々と飛行機に乗り込み、私たちはそれを固唾を飲んで見守ったのです。勿論、1人でやるわけではなく、インストラクターに繋がって降りてくるから安心な訳だけれど、にこにこしながらパラシュートにぶら下がっておりてくるプラシャント君を見たときは安心した。「ここでインディアン・アイドル様に事故があったら誰の責任になるんだ?」という疑問をいっさい抱かないチベットコミュニティーに乾杯したくなった。

    しかし、7人くらいでのミニ・トリップで、友達プラスインディアン・アイドル様というメンツだったとはいえ、こんなに楽しく笑った1日はほんとーに久しぶりだった。どの写真を見ても、私はだらしのない、でも良い意味で邪気のない笑顔とポーズまでとっていたりして、まったくもってチベット人たちは、どんな人をも(私のような人間でさえ)笑顔にして、場をゆるーく、たのしーくしてしまう技術に長けていることを再確認した。これってスゴいことだと思う。

    一日の終わり、家にかえってきて、皆スゴーク疲れていたけれども、ホストの友達はレストランに行って皆の食事を買ってきてくれて、その間私たちとアイドル様はだらだらとヒンディー映画を観て、今彼が住むムンバイの話やボリウッドの噂ばなしなどをしていた。(いい忘れましたが、私は大のつくボリウッドファンです)ホストの友人が食事を買ってきてくれて戻ってくると、皆お腹がすいていて、もくもくと食べ始めた訳だけれども、なぜかプラシャント君が食べていない。どうしたの?と聞くと、「僕はソナムを待っている。ソナムが来たら一緒に食べる」と言う。チベット人のソナムは、ロングアイランドから帰ってきて、一度用事があるから2、3時間外に行ったのだったけれど、それを待ちたい、と彼は言うのだ。お腹がすいていたはずなのに。なんて良いやつなんだ!

    プラシャント君はしきりに、旅をすると、普段は自分はホテルの部屋に入れられて、皆忙しいからまったく相手にしてくれないし、必要なときだけ声をかけてくるから、こんなに友達のように、というか友達になって良くしてくれるなんて家族みたいだ!!と感激していた。チベット人の思いと、プラシャント君の思い。なんか、素晴らしいドキュメンタリーを見ているような気分だった。
    そんな中、ふと、どうしてこんなに楽しいのか、と正気に戻る瞬間がきて、人間がもちえる、精一杯のあたたかさがじんわりと身にしみたとき、自分は今日は童心にもどっていたのだなー、と思い、皆の顔をみていると感謝の思いがこみあげて、泣けてくるくらいの勢いだった。人がいちばんのインスピレーションだなあ、と思う。

    プラシャント君がインディアン・アイドルで勝った回



    プラシャント君の歌
    「人生では思ってもみなかったことに出会う」というようなことを歌っている彼のシングルです。今もハナウタで歌っているくらい、お気に入りになっちゃった。

    2 件のコメント:

    T&M さんのコメント...

    プラシャント君、映像でも魅力的なので、生は相当カッコイイと思います。SMAPの中居君と韓国のイ・ビョンホンを足して割ったような…。歌は断然、中居君よりうまいです。彼の歌う曲がネパール調のものなのでしょうか?不思議と気持ちよくなる曲ですね。きっと私も会ったらキャーキャー言っちゃうと思います。

    Makoto Sasa さんのコメント...

    わーい!誰かがこの記事にコメントをくれるのを待っていたのです。よかった! そうそう、イ・ビョンホンに近いかもしれません。ほんっとーに良いやつで、私は「インディアン・アイドル」のドキュメンタリーでも作ろうか、と。(ははは)歌は中居君と比べたらプラシャント君に失礼かもしれませんね。のせた歌はヒンディーなのですが、この歌も素晴らしい。なんでもネパールでは有名な歌を彼がカバーしたのですが。リンクはここ:
    www.youtube.com/watch?v=5FpoKbwGkl4
    切ないです。